坂田織物
風景の中に溶け込みつつも小さな違和感を持つショップ
宗像友昭design office TERMINAL
応募作品を空間デザイン的視点で語りつくしてください
このショップは久留米絣の製造販売を行う織元が新たに発表したテキスタイルブランドの為のショップです。
戦後の洋装化の波にのまれ、現代の私たちの生活から遠い存在へとなってしまっている久留米絣をたくさんの人に知ってもらうために試行錯誤するクライアントが「絣を身近にする!」というモットーを掲げ立ち上げた「絣のテーマパーク構想」の第一弾になるプロジェクトである。
この構想では敷地内にある建物を順次、カフェやファクトリー、宿に整えていき絣に触れて学んでもらう機会を増やしたいという思いが込められている。
第一弾として計画されたショップは接道する前面道路に対して開口を設けない選択をした。もともと農機具庫として使われていた建物の外形をそのまま踏襲しつつトンネル状のアプローチ空間を新たに設けている。その結果、周囲に馴染んだ形でありながらも開口部を失った佇まいは町の特異点として浮かび上がった。開口部を極力設けない計画は、絣が紫外線に弱い特性にも効果的に寄与しつつ、日常的な風景と切り離された静寂に包まれ落ち着いた空間となった。
Question01
受賞作品の最後のピース(ジグソーパズルを仕上げるに例えて)はどこでしたか?
前面道路に対して開口を設けないと決めた事。
これをキッカケに抽象的なファサードや象徴的なアプローチ空間が生まれるきっかけになったことを考えるととても重要なピースであったと思う。
Question02
空間デザインの仕事の中で、一番好きな事は?
積み上げたたくさんの要素が筋の通った線になった時。
Question03
空間デザインの仕事の中で、一番嫌な事は?
デザインを言語化し文章にする作業。まさに今が苦痛です。
Question04
クライアントとのやり取りで印象的に残っている言葉や事はありますか?
クライアントの断固たる決意にチーム全体の意識が引き上げられたプロジェクトであった。
Question05
受賞作品においてコロナの影響はありましたか?
半導体不足の影響による機器類の納期遅延、いつ誰がコロナに罹患するかわからない状況など、工期の管理が非常にデリケートであった。
Question06
空間デザインで社会に伝えたいコトは?
個人的に伝えたいことはありません。その空間で伝えたいことがある人(クライアント)にとって適切な背景でありたいと思います。
Question07
空間デザインの多様性について一言
求められる空間がいかに多様になろうとも、課題を解決するというデザインの本質は変わらない。
Question08
空間デザイナーを目指す人へのメッセージ
いろいろな場所に出掛けていろいろな空間を肌で感じてください。感じたことと学んだことが咀嚼され図面に落ち、新しい空間が生まれるのだと思います。
PROFILE
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宗像友昭
design office TERMINAL
1982 鹿児島県出身
2003 都城工業高等専門学校 建築学科 卒業
2005 福岡デザイン専門学校 環境デザイン科 卒業
2006 デザインニコ一級建築士事務所 勤務(-2009)
2011 リズムデザイン一級建築士事務所 勤務(-2012)
2012 design office TERMINAL一級建築士事務所を設立
2015 JCDデザインアワード2015 木田隆子賞/銀賞/新人賞
2018 - 九州産業大学 住居・インテリア学科 非常勤講師
2023 日本空間デザイン賞2023 入賞/森井良幸賞