DSAセミナー
時代を解く空間デザイン ‐ 3「 在 る 美 」 に つ い て
実施日時 : 2025年3月5日(水) 13:30~14:15
会 場 : 東京ビッグサイト東6ホール内 JAPANSHOP・建築・建材展会場ステージ
2025年3月5日 雨にも関わらずJAPAN SHOP2025セミナーの満席。そのお客様を前に時代を解くデザインをテーマに、日本空間デザイン賞 2024の空間オブザイヤー受賞作「在る美」のアートディレクター資生堂クリエイティブ金内幸裕 氏にお話伺いました。
高校時代に「資生堂のウィンドウアート」という本に出会い、
ウィンドウディスプレイに憧れていた金内サンは、
それから様々なデザインのキャリアを積んだ末に現職に就いて、
資生堂のウィンドウを手掛けるチャンスに巡り合う・・・そして2023年。
「伝統工芸」をテーマに「資生堂らしい」ウィンドウディスプレイを模索。様々な素材と技術を検討する中で
「和 傘」の可能性に着目する。
傘の内側にあり使用者しか見ることのできない「竹骨と飾り糸」をあえて露出させるデザインに挑む。
そして、その創作プロセスの中で傘としての常識を捨て内外を逆転させた途端、美しくなった!と証言。
更には、クリスマスディスプレイでありながら、クリスマス要素を削ぎ落す事を決断する。
それによって、繊細な構造美、竹の撓り、飾り糸の緩みなど、不完全で大らかな美に気づいたエピソードを
教えてくれました。
それらの対話から、「人の手が生む不完全で大らかな美」こそ、潜在的に人が求めている「在る美」であり、時代を解く空間デザインの1つではないか・・・という解を導くことができました。
そして、
金内サンにアートディレクターとして大切にしている事を尋ねると、
「偶然と、勘。」と答えてくれました。もう少し言葉を加えて読み解けば自分の偶然に気づく感性と、可能性を見出し決断する勘。
まさに、AIがどんどん拡張するこの時代に不可欠なものです。
セミナーを通じて、街角のウィンドウディスプレイから、
時代の声に耳を澄ますひとときの大切さや、その美しさは、
次世代の夢につながる!気づきもありました。
金内サン、貴重なお話ありがとうございました!
ファシリテーター
DSA理事 津山 竜治
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